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万が一に備えて!?離婚時の年金分割の注意点は?

離婚時の年金分割の背景

万が一に備えて!?離婚時の年金分割の注意点は?
離婚をした際、夫がサラリーマンなら厚生年金に加入しているため、厚生年金が支給されます。一方妻は、特に夫の扶養者、すなわち「第3号被保険者」であった場合、国民年金の老齢基礎年金しか受け取ることが出来ない場合が多く、万が一「離婚」という事態に立ち至ってしまった場合には、元夫の間で受け取ることのできる年金額と元妻の受け取ることのできる年金額の間に、著しいギャップが生まれるという事実があります。夫名義の厚生年金は、夫にしか支給されないからです。
このような現状のなかで、「妻が夫を支えた貢献度部分のも、妻の年金額に反映される必要がある」あるいは「離婚した、元専業主婦の、高齢独身女性がの生活を支える必要がある」という意見が沸き起こり、離婚時に限って夫の厚生年金の分割を可能にする制度が導入されました。
離婚時の夫の年金分割に関しては二つの制度があり、双方の協議で決定する「合意分割」と平成20年4月1日以降に、夫妻どちらかに「第3号被保険者」期間があった場合、その期間の年金を2分の1に分割する「3号分割」の、2種類があります。

年金分割の注意点【1】

夫が厚生年金を受け取っている場合、加給年金というものが夫の年金に追加されている場合があります。この年金は夫に生計を維持してもらっている65歳未満の妻や18歳未満の子がいる場合、一定の条件のもとに支給されるものです。
妻が存在することで加給年金が支給されている場合、妻が65歳になると加給年金は打ち切られ、夫の厚生年金は減額されます。しかし、この減額された加給年金は、妻が受け取る老齢基礎年金に、振替加算として加えられます。つまり妻の老齢基礎年金の支給金額がその分だけ高くなるわけです。
妻がこの振替加算分の支給を受けるには、妻に受給資格が生じた時点で夫婦関係が成立していることが条件となります。妻が老齢基礎年金を受給する前に離婚が成立した場合には、振替加算は行われません。そして一度振替加算が行われると、妻の年金にはその金額が一生の間上乗せされるます。つまり離婚する時期によって一生涯余分な年金が支給されるか、ゼロになるかが決まるわけです。
離婚時の合意分割・3号分割が適用されない場合でも、熟年離婚にはこのような落とし穴がありますから、離婚の時期には気を付ける必要があります。

年金分割の注意点【2】

年金分割制度は、厚生年金に限って「婚姻期間中の保険料納付実績」を分割する制度です。
結婚前に夫が掛けた厚生年金は、年金分割の対象になりません。夫が自営業者や自由業の場合には,国民年金(すなわち基礎年金)しか掛けていないわけですから、離婚をしても年金の分割はできません。年金の上積みのために任意で支払った部分(厚生年金基金および国民年金基金)も、分割の対象にはなりません。
さらにもっと大切なことですが、年金分割は「年金を受け取る権利」を分割するものであって、「年金そのもの」を分割するものではない、ということです。年金を受け取るはずの本人が、年金受給資格を得ていない場合には、離婚の際に年金分割をしても、年金が受け取れないことになります。結婚期間のすべてが第3号被保険者であった専業主婦であっても、結婚期間が25年間に満たなかった場合は、残りの期間は自分自身で年金受給資格を満たしておく必要があります。

年金分割の注意点【3】

分割された年金の支給時期は、元夫が65歳に達したときではなく、元妻自身が65歳に達した後であることにも、気を付ける必要があります。その代わり、その年金分を妻は生涯に渡って受け取れます。元妻が生きている間に元夫が死亡したとしても、年金の支給には関係ありません。
年金分割は決して単純な制度ではありません。制度を利用するためには、年金事務所に申請を行うことも必要です。夫に支払われる年金のうち、夫妻の婚姻期間に夫が支払った厚生年金のみが対象になります。その他にもいろいろ細かい条件があります。
どの部分が年金分割の対象になって、どの部分が対象外であるかを特定するのは、かなり複雑な作業です。そのため、年金分割を申請するためには、まず年金事務所に対して年金分割のための情報提供請求を行っておく必要があります。離婚調停・離婚裁判で互いに争うことになった場合、裁判所に対して「年金分割のための情報提供請求書の提出」が必須のものとなります。
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