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近年注目される「看取り士」とは?

投稿日 2016.05.27

そもそも看取りとは?

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看取りとは、人生の終わりである死が近い方の肉体的・精神的な負担を取り除いて安らかに過ごせるように、残された時間をどう生きたいか、どのような最期を迎えたいかの希望をできるだけ叶え、死を迎える時まで出来る限り援助し、最期の時まで一緒に過ごすことです。
ターミナルケアで身体の痛みを医療方面で緩和して苦痛を取り除くように、死に対する恐怖やこれまでの人生に対する後悔や反省といった心の痛みも癒されてこそ、理想の死が迎えられます。
医療機器に囲まれた最期や独りぼっちで迎える死ではなく、自宅など慣れ親しんだ場所で愛する家族や親しい人達に囲まれながら人間として自然な最期を迎えたいと思う人がほとんどでしょう。そんな人の近くに寄り添い、手を握るなど肌に触れ、話を聞き、最期まで側にいる、そんなやさしい看取りの中で安らかに人生を終えるのは昔は当たり前の光景でしたが、核家族化や少子高齢化の現在の日本、更に高齢化が進む未来の日本にとっては難しくなっています。

看取り士とは?

一般社団法人日本看取り士会の柴田久美子会長が看取り士と名乗り始めたのが最初です。
老人福祉施設や訪問介護の仕事を経て、医療の介入しない理想の人間としての最期の姿を求め、平成14年に看取りの家である「なごみの家」を設立しています。
看取り士になるには、性別、年齢を問わず、介護職人初任者(ホームヘルパー2級)以上の資格や看護師免許をあらかじめ取得しているのが条件です。日本看取り士会による看取り学初級、中級、1日胎内内観などの講座を受講し、2週間の合宿講習に参加すれば看取り士認定証が取得できます。認定証を手にすれば看取り士と名乗ることが可能になり、看取り士会を通しての依頼でエンゼルチームと共に現地派遣に対応できるようになります。
死を目前にした方が「自分の一生はよい人生だった」と肯定しながら安らかに旅立てるよう魂の近くに寄り添うのが看取り士の仕事です。
ターミナルケアのチームの一員としての今後の活躍も期待されています。

看取り士が求められる背景は?

2025年、日本は4人に1人が75歳以上の超高齢化社会を迎えます。
2030年には自宅はおろか、病院や施設でも死を迎えられない看取り難民が47万人に達すると厚生労働省により試算されています。
多世代同居が当たり前であった時代は、祖父母を自宅で家族で看取るのが当たり前でしたが、核家族化、少子化でそれが難しくなり、空きが無いために各施設に入居できない老人も増えています。
こうした社会背景は誰にも最期を看取られず孤独死を迎える人を増加させる要因となっています。
8割の人が自宅で死を迎えたいという願いも難しくなっている今だからこそ、1人で死なせないための看取り士が必要とされています。
誰にでも理想の最期があります。それは愛する人に見守られながらの死であったり、心安らかに逝きたいという願いもあるでしょう。その思いに寄り添い、人間としての尊厳ある死を迎えられるようプロデュースするのが看取り士として大きな役割となります。

看取り士の具体的活動内容は?

老いや病の中で人生の最期を人間らしく迎えようとする願いを叶えるためには、本人だけでなく家族や医療、介護などの協力と連携が不可欠です。看取り士はその連携チームの中でより魂に寄り添い、「いい人生だった」と思いながら最期を迎えられるよう納棺前まで支援します。
講師となり、看取り士を育てるための活動をする人もこれから増えていくでしょう。
看取り士とは何か、どのような仕事かをより広めるための講演も行われています。
心穏やかに死を迎えるお手伝いをするだけでなく、家族や親しい人達がその死を受け入れることができるようにするのも看取り士の仕事です。
そうできる看取り士を育成するため、養成講座では感謝を学ぶための礼儀作法や死生観、自らを知り、他人の価値観を尊重し、相手に不快感を与えないようにする態度など、心のあり方も学びます。
尊厳ある死を迎えるためのお手伝いをする中で生きることをあらためて考えさせられる、超高齢化社会を迎える中で看取り士の存在は大きな意味を持つと考えられます。

参考サイト: 一般社団法人日本看取り士会

金澤 和央

株式会社日比谷花壇 フューネラルプロデューサー

金澤 和央 (カナザワ カズオ)

早稲田大学卒業後、2004 年日比谷花壇に入社。入社時よりライフサポート事業部にて葬儀のプロデューサーとして家族葬からお別れの会、社葬まで幅広く手懸けている。現在は首都圏エリアの葬儀施行部門の統括をしている。

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