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減築とは?

減築する理由にはそれぞれの家庭の事情がありますが、主な理由として高齢化があり近年注目されているキーワードです。
核家族化が進み高齢者世帯が増えてきましたが、家族3人以上で住んでいた頃は狭く感じた家でも高齢の夫婦だけの世帯や高齢者1人世帯では広く使わない部屋も出てきます。物置にするほど物もなく、ただ掃除や維持する負担が重くのしかかり減築の決断を迫られるケースが多いです。その昔は子供がたくさんいたり、長男夫婦が同居したりなど部屋が余る事も少なかったでしょう。しかし時代も大きく変化して家族のあり方や状況も昔と違ってきました。子供をあてにできない時代だからこそ、減築がクローズアップされていると考えられます。合理的な選択とも言えますが、メリット・デメリットをきちんと理解して選択肢の幅を広げることも大事です。
減築のメリット
しかし、実はメリットも多いのです。メリットを大まかに挙げると、掃除や手入れがしやすいだけでなく動線が短くなるので家事の効率がアップする、全体的に敷地面積が狭くなるので隣家との間隔も広くなり日照や風通しが改善可能、平屋なら全体をバリアフリー化しやすいなどがあります。
他にも住み慣れた土地を離れずに済み、人間関係で不安になる事も、新たに人間関係を築く精神的負担もありません。また敷地面積が縮小するので固定資産税が割り引かれたり、都市計画税等が減額されたりするなど経済的なメリットもあります。防犯上の死角が少なくなり、1人暮らしでも安心です。冷暖房等の光熱費も安くなり、最新機器の設備に換える事で省エネ性能も一気に上がります。もちろん耐震性能も上がるので、近年多発している大型地震にも対応可能です。使わない部屋が多いケースでは換気の手間も無くなり、換気不十分が原因で起こる家の傷みにも対処できる利点があります。
減築のタイミング
現在居住している家を持て余している様に感じたなら一度検討してみる価値はあります。住み慣れた家で、どこにも異常がないし不便も感じていないなら良いですが、年齢を重ねていけば少しずつであっても体が思う様に動かなくなる、そんな未来の自分を想像してみることも大切です。今は良くても今後の生活に不安な点があれば少しずつリフォームするよりも減築で全体的に改善する方が経済的にも負担が軽く済みます。
動けるうちに物置状態の部屋の整理もしないといけませんので、介護が必要になってからで十分、子供の誰かが住むかもしれないと待っていては、後悔する可能性があります。自分の暮らしやすい家をどうするのか未来の自分を考えながらイメージする事がポイントになります。
減築の注意点
まずは費用の面です。土台部分がしっかりとしている物件であれば、費用を建て替えの70~80%程度に抑える事ができます。しかし基礎がきちんと施工されていなかったり、柱が抜けていたり、シロアリの影響でボロボロだったりする場合には、構造上問題アリとして基礎部分を施工する必要があります。基礎工事を加えると建て替えする場合と金額的に差異がなくなり、場合によっては建て替え以上の費用が嵩むケースもあります。
他には物の問題です。物置代わりに使っていた部屋を無くした事で、把握していなかった捨てられない物が減築した家に入りきらないケースがあります。断捨離とは言いませんが、新たな家にどれを持って行くのか吟味しておく事も必要です。見落としがちなポイントは仮住まいで、住みながらリフォームできる場合もありますが、壁を破るなど基礎を見直す可能性があるので仮住まいの検討はしておいた方が良いでしょう。

株式会社日比谷花壇 フューネラルプロデューサー
金澤 和央 (カナザワ カズオ)
早稲田大学卒業後、2004 年日比谷花壇に入社。入社時よりライフサポート事業部にて葬儀のプロデューサーとして家族葬からお別れの会、社葬まで幅広く手懸けている。現在は首都圏エリアの葬儀施行部門の統括をしている。
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